
コロナ以降、教育現場は大きな変化を遂げました。オンライン授業の導入、タブレット端末の配布、それに伴うデジタル教材の急増――こうした改革は、生徒にとって新しい学びのチャンスを広げる一方で、“やることが多すぎる”という新たな問題も生んでいます。
□学校課題が“重く”なった理由
以前の学校課題は、主にプリントやノートの提出といった紙ベースのものでした。ところが現在では、これに加えて次のようなタスクが日常的に課されています:
• タブレット上でのドリル演習
• 動画授業を見ての理解度チェックテスト
• クラウド共有されたレポートの作成
• 自動採点アプリを用いた復習演習
このように、一つひとつの課題は「取り組む意味」があるものの、すべてを律儀にこなそうとすると、肝心な学習時間が圧迫されてしまいます。
□ 「課題の取捨選択」が必要な時代
生徒たちが口を揃えて言うのは、「時間が足りない」「何からやればいいかわからない」という声です。
学習効果を高めるには、「量」ではなく「質」が重要です。限られた時間の中で、優先度の高い課題に集中する力が求められています。けれども、それを小中学生が一人で判断するのはとても難しいのが現実です。
□ 求められる“学習のキュレーター”
このような状況で注目されるのが学習のキュレーターです。
個別指導の最大の強みは、生徒一人ひとりの状況に応じて「課題を整理し、優先順位をつけ、意味のある学習計画を立てる」という**“キュレーター”的な視点を持てること**にあります。
• 学校課題をどう位置づけるか
• 宿題が多すぎるとき、何を削って何を残すか
• 自主学習の時間をどう確保するか
• 入試に向けて、いつどのタイミングで過去問に取り組むか
こうした「判断」を、第三者の視点から冷静にサポートする存在として、個別指導は非常に有効です。
□ 自走を支える「取捨選択の力」
最終的に目指すのは、「課題をこなす」ことではなく、自分で課題を意味づけ、優先順位をつけて行動できる力を育てることです。
個別指導は「全部教える」場ではなく、“学びを選び取る力”を育てるための伴走者として変化していくでしょう。
□これからの学びに必要なのは、“整理する力”と“絞る勇気”
膨大な課題に囲まれて疲弊するのではなく、「今、何をやるべきか」を一緒に考えてくれる存在がいること。
それが、これからの教育において、そして入試を見据えた学習において、ますます重要になっていきます。
※キュレーターの広義=情報を集めて整理して提供する人
