学校生活において、目の前の課題や授業に対して「最善を尽くす」姿勢はとても大切です。提出物に丁寧に取り組むこと、授業中に真剣に話を聞くこと、先生や仲間とのやりとりを通じて学びを深めていくこと——これらは学力の土台を形づくるうえで、欠かせない営みです。
しかし、受験期になると、この「最善の姿勢」がそのままでは成果に結びつかないことがあります。なぜなら、受験には「戦略的な学習」が必要だからです。
⸻最善を尽くすことが裏目に出ることもある。
たとえば、定期テストで満点を取ることにこだわりすぎて、受験にはあまり出題されない細かな知識に時間を割いてしまったり、内申点を気にしてすべての教科に均等に力を入れたりすることがあります。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。ただし、受験という目的に照準を合わせたとき、「何を優先するべきか」を取捨選択する力が必要になるのです
「真面目な子ほど受験に失敗する」って本当?
これはある意味で真実を突いています。真面目で努力家の子ほど、学校の課題や先生の指示に忠実に従い、丁寧にこなそうとします。しかし、受験では「今この時期にやるべきこと」だけを選んで集中すべき場合もあります。
つまり、受験のためには「よく頑張ること」よりも、「正しく頑張ること」が求められるのです。
学校の学習と受験勉強のバランスの取り方
では、どうすれば両立できるのでしょうか?以下にいくつかの実践的なポイントを挙げます。
1. 学校の授業は「復習」の場と考える
受験勉強で先に予習的に学んでおき、学校の授業でその内容を確認・定着させるようにすると、無理のない二重学習になります。
2. 定期テストは戦略的に取り組む
内申点が必要な場合(特に高校受験)には重要ですが、すべての教科を全力でやるのではなく、受験に直結する主要教科を中心に力を入れましょう。
3. 「今、必要なこと」を可視化する
自分の志望校に必要な科目・単元を一覧にして、今の自分にとって優先すべきことを明確にしましょう。「できている感」ではなく、「必要な学力」ベースで学習計画を立てることがカギです
「頑張り方を変える」ことは裏切りじゃない
努力の方向を変えるとき、「学校の先生に申し訳ない」「手を抜いているような気がする」と感じる子どもも少なくありません。でも、それは決して裏切りではありません。むしろ、目標のために自分の力を最も生かす方法を選ぶという、とても戦略的な判断です。
家庭では切り替えにくい最適策
外部に相談するのも有効ですね。